丘の上の本屋さん
監督 クラウディオ・ロッシ・マッシニ
プライムビデオ
誰をも掬いとる。目指せ、老練なる優しさ!!
主人公のリベロは老年の古書店主です。彼の店には毎日のようにいろいろなお客さんが来ます。どちらかといえば、一癖も二癖もある人ばかり!! さて、あなたは、受け入れがたい人がフレンドリーに話しかけてきたら、どう対応しますか? 不服そうに? いい顔するけど、本心はイヤイヤ? リベロのように、誰をも丁重にもてなせるようになれば、一人前です!! そのことは後ほどお話ししますね。
あらすじ
イタリアのある街にある古書店。こじんまりとした上品なお店。リベロはそこで客を待つ。
「奥さま」に仕えるキアラは、その主人からフォトコミックを所望される。写真を漫画のように構成した雑誌ですね!! それは、毎回同じ展開、同じ結末の物語だとか。もちろん硬派な古書店のリベロのお店にはそういうのがないのです。インターネットで探せばいいのに、このお客さんはそれが苦手みたい。諦めずに毎回のように来店する。
古書店の横にはカフェがあり、そのウェイターのニコラは空き時間のたびにリベロの店に入ってくる。彼とも話すし、本当の目的はキアラ。彼女が好きなのだ。
また、リベロは少年に出会った。少年は、店先に置いている漫画をじっと見ていたのです。お金がなくて買えないって言う。リベロは「貸して」あげる。読み終わったら返しに来るように。少年は戻しにきた。リベロは別のを貸す。今度はもう少し難しいご本。そうしてそれは続き、どんどんレベルの高い本を渡していくのだけど!?
他にもいろんなキャラのたった人たちが来店します!!
店のお客さんは誰もがリベロが好きだし、好きになります。もっと言うと、頼られています。その知識とその年齢に相応しい人格によって。
リベロもお客さんが大好きです。
リベロの古本屋さんは、みんなの幸せな錨地のようなところ。
何もかもが素晴らしい日々のように思えましたが……。
人を人として尊敬する。相手にはそれが伝わる。
リベロが誰からも好かれるのは、誰をも丁寧に扱うからだと思われます。本を買わないし、ゴミとして捨てられている本ばかり売りに来るお客さん。その人をバカにする人がいたけどリベロは、彼は誠実な人だと弁護した。(本当の人とのつながりを作れる人ほど、人を見る目は精巧です。最悪なのは、自分の都合の良い思い込みで相手を理解していることだと思います)。
独裁者の書いた思想書を買い求めにきた人を、邪険にもしなかった。むしろ、歴史のご本をお勧めしたりもした。(決して彼の思想を誉めもしませんでしたが)。そんなふうに、好き嫌いなどないのです、リベロには。そういう人物の醸し出す空気感は、包み込むようなのでしょうね!!
ユーモアがある意味、人間的大きさ。
また、差別をしない以外にも魅力的なところが。それは、相手の言葉に対して期待以上の答えを返せるスキルです!!
たとえば、本を借りていく少年がある日「星の王子さま」を読みます。感想をリベロと話した後。「王子様は、またバラに会えたかな?」「バラだけじゃない。彼はまた1日に43回夕日を見ただろう」。
なぞなぞの本を探しにきた人がいます。大人です。アナグラムの話題になったとき、「図書館員」(biblioteca Rio)の文字を入れ替えると「両手に本」(beato coi lubricant)になると言いました。
これら、なんという機知であり、ユーモアでしょう!!
リベロのようになれれば、たぶん、誰をも楽しませることができます!! それには、たくさん教養を積まなければなりません。そして、この映画は見てる途中からご本の話題が次々と出てきて、読書をしたくなりますよ!!

ところで、ご本を売りに来るばかりのお客さんから、誰ともしれぬ人の書いた日記をリベロは買うのです。それを彼が読む、
モノローグ。
1957年7月4日
明日出発する
ナポリから船に乗って
この国とも永久にお別れだ
今より豊かになれる希望に賭けた
過去を捨て
新しい未来を探しに行く
(「丘の上の本屋さん」劇中のセリフ)

これはずっと昔を生きた
ミケーラという女性の日記で、
仕事の見つからない
彼氏とアメリカに
向かうまでのことが書いていました。

冒険ね。
環境が違うところに行くのは怖いわ。

ぼくもそう思います。
ただ、人生の時間は日々何をしていくかで、
その行き着く先は大きく変わるものだと
聞いたことがあります。
ミケーラは、母国、つまりイタリアでは家政婦さんで、
その職業では自分は満足できないと思っていました。
そして、ほかに職のアテがないとも。

小さくも変えれないなら、
いっそ、大きく変えよう、か。
生きるパワーに尊敬。

現代の人でも、
おおきく社会的に成功している人は、
その、生きるパワーがすごいですね。
日々、どんな苦難も乗り越えようとします。

現状に立ち止まらないと言うことね。
そういえばリベロだって、
今までの自分の生き方のどこかで止まらないで、
常にどんどん人を受け入れていくじゃん?
それは生きるパワーに満ちているんじゃない?

確かにそうですね!!
そのクリエイティブさと
そこから生まれる本物のやさしさ。
だからこそ、
人が集まってくるのかもしれませんね!!
「丘の上の本屋さん」プライムビデオの視聴、こちらから
丘の上の本屋さんパッケージ商品(ブルーレイ)になります。

今回は以上になります。
若いかたにも大人のかたにも、今日、いま、
あなたの青春の時間に参加させていただいたことに感謝いたします。
それでは、また!