魔女だったかもしれないわたし
エル・マクニコル
櫛田理絵 訳
PHP研究所
人はそれぞれに幾つかの仮面を持っています。
だから、Aさんにとってその人がとても優しい人でも、Bさんにとってはとても意地悪な人だったりします。多くの人が自分に都合の良い人には優しく、都合の悪い人には残酷ですらあります。
あなたは、今、そういう人が身近にいて、辛い思いをしていないでしょうか?
物語の主人公、アディは学生で、今、まさに、そういう人たちに出会っています。
(あらすじ)
アディは、自閉的な子。自閉「症」じゃないのです。だって、これは、病気でなくて特性なのだから。
ものすごくいろんなものに対して感受性が鋭いけれども、それは、普通の人には理解できない。だから、刺激の強さにやられて学校で体調を崩したりすると、マーフィ先生に「迷惑だ」などと思われる。
遠足で、魔女のお話を聞いた。一方的に罪を着せられて湖に漬けられた人たち。これって、自分に似てないだろうか? 勝手にこうだ、と決めつけられて、本当のことは聞いてもらえず、怒られる、意地悪を受ける。
アディは、思いつきます。そんな不幸な人が未来にいなくて良いように(そのことを胸に刻むために)、町に、魔女の慰霊碑を作ろう!!
彼女は行動をする。町の議会に提案してみよう!!
そうしていくなかにも、やはり、魔女のような扱いを受ける。かってに、悪者にされる。マーフィ先生があの手この手で、厄介者払いしようとしてくる。
でも、お姉ちゃんのキーディが、助けてくれる。ううん、家族、新しい友だち、みんな味方だ。
アディは、支えられながら、がんばって、魔女の慰霊碑の建造を議会に承諾してもらおうと奮闘します。
(感想)
こんなことは経験ありませんか? 何か問題が起こったとき、自分より立場がある人(子どもには大人だったりお兄さんやお姉さんかも、大人だったら会社の上司だったり)から、一方的に、「あなたが悪い」というふうにされてしまったこと。相手の方が偉いから、逆らえません。
または、たとえ、偉い人でなくても、証拠に残らないように、ちくちくと毎日のようにいじめてくる人もいるかもしれません。
誰かに助けてほしくても、理由もうまく説明できない。
ここで怒ると悪いのはこちら、にされてしまいがちです。それが魔女の運命でした。そして、自閉的なアディの生きる世界でもあります。いろいろ他人から勝手をされて、それでも、みんなと仲よくしようと我慢してるのです。
そして、彼女は、もう耐えられず爆発した……。
たぶん、多くの人は彼女のその行為だけを見て、あの子はとんでもなく悪い子だ、というでしょう。彼女がそれまでにどんな目にあっていたかも、考えてくれずに。
そんな、理不尽に戦う、アディという少女とその家族たち。打ちのめされながらも、少女の強さが光ります。勇気の出る物語です。
また、あなたが子どもであろうと大人であろうと、生きていくうえでずるい人たちをどう見極めればいいのか、どう対処すればいいのか、そのヒントが見つかるでしょう。
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(インパクトシーン)
「大人もいじめることがあるなんて、知らなかったから」わたしがそういうと、みんなだまった。
「魔女だったかもしれないわたし」 より抜粋
なんとも、悲しい言葉です。
そうですね。
人間のいやらしさを語れば
キリがありませんよ。
そうね。
でも、
アディは大事な人に囲まれている。
これって、
人は自分が優しくされる場所を探そうってことじゃないかな。
もしくは、作ろう、ですね。
そのためには、
戦うことも必要だとも書かれているように感じます。
孤独な戦いでなく、
信頼できる人の力を借りてね!!
素晴らしい人に出会うためには、
自分も素晴らしくなろうと努力しなくてはならない。
アディは、一生懸命、そうであろうとしました。
自分への裏切りも経験しながら。
断りを入れておきますと、
この本は児童書です。
自閉的な子が主人公です。
そういう子がどんな世界を生きているのか、
の一つの例を見れるでしょう。
少女がいろいろな理不尽にどう立ち向かうか?
ぜひ、読んでほしいです!!
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