聖なる泉の少女
監督 ザザ・ハトパシ
Amazon prime (プライムビデオ)(2024年7月8日 対象内)
もしかしたら、あなたは日々のルーティンがきついのに、縛られていたりされていますか?
お酒を飲んだり、甘いものを食べたり、恋人や友だちに会って、それでうさを晴らして騙し騙し生きている。
この映画の主人公の少女ツィスナメは、自分に正直な人生を送りたいといつも思っています。父親が、縛ってくるのです。彼女はどんなしがらみを持ち、また、どんな生き方を選ぶのでしょうか。
あらすじ
少女ツィスナメ(ナーメ)は、男性と恋がしたい、お化粧をしたり髪の毛を隠したりしないで、自分の魅力いっぱいに生きたい!! なのですけれど、父親が許してくれないのです。
彼女の家は、「聖人」の家です。ある泉を管理していて、そこに溢れるお水を飲んだり触れたりすると、病気や怪我が治るとなっているのです。村人は毎日のように巡礼に来ます。父親は、それで、尊敬されているのです。後継者は、娘のナーメと決めています。
もともと一家には、3人の息子もいました。しかし、みんな家を出ました。水に、病気や怪我を治す効果ってないのだと知っているのです。彼らはそれぞれに生活していますが、父に会ったときは、その疑いを口にはしません。ただ、後継者になるのはごめんなのです。
だから、1番幼い娘に期待がかけられました。学校にも行かせてもらえず、泉を守る役目を継ぐのだと。
彼女は幸せを感じません。毎日、父の決めた、水を奇跡に変える魚を洗うこと、巡礼者の世話をすること、で1日は終わります。
彼女は、父親におどろくほど従順ですが、激しい反発心も持っています。
父親は老いつつある。彼女は、ある決意しました。
小さなときからずっとやってきた何かがありますか? それは、親に期待された何か、ではなかったですか?
いま、それをしているのでしょうか。やめたけれど、申し訳ない気持ちがあったりするでしょうか。
あなたの人生はあなたのものです。
あなたが1番幸福になるのは、誰かの期待に応えて、その人を満足させることではないですよね。あなたご自身が満足することへと向かうほうが、よいはずです。たとえ、そのことがだれかを、または、あなたの思い出を傷つけるとしても、あなたはこの先も、誰かの望みに操られて生きていたくはないはずです。
ナーメは、おそらく、彼女の全人生を作っていた一番おおもとの部分を断ち切ることにしました。さまざまな恨みはあると思います。同時に、父との大切な思い出もあるでしょう。彼女自身の忘れ難い優しい記憶もあるでしょう。それでも、です。ぜひ、この映画を見て、あなたの人生について考えてみてください!!
ささる言葉
望んだ通りの生活でなくともーー
皆がおのおのに信条を持っている
各自が信じるものによって立ちーー
だからこそ思い思いに生きられる
「聖なる泉の少女」劇中のセリフ
これは、息子さんたちが
父親のいる実家に帰ってきたとき、
まるでお祈りのように呟いた言葉です。
息子さんのお1人がたぶん、もと心臓外科医なのですが、
彼は山奥でただ、
1人生活するための家を作って暮らしています。
彼には、何かの過去があり、
また、「信条」を持っているのだと思います。
父親は、「聖人」という立場で、
また、「親」という立場で、
尊大になってるように見えたわ。
まわりが気を遣って優しくしてあげてることに、
えらぶってるような、ね。
そんな親だから、
息子たちにそれぞれの信条が
育った可能性もありますよね。
だいたい、いい歳をした娘の人生を
無理やり管理していて、
彼女を大事にしてるって思っていることに
とても欺瞞を感じました。
その人が面倒だから、
まわりが強いて優しくしてること、あるわ。
そういう人って、自分は素晴らしい人間と、
勘違いしていたりするわね。
映画では、化けの皮が剥がれたとき、
息子たちも言葉がなかったわね。
劇中の少ない情報から、
もうなにも伝わらないところまで
家族の関係がいってしまっていた、とも思いました。
息子さんたちの態度は、異様なものがあります。
それもあって、父親のあとを継ぎたくないかも、と。
つまり、あの父親は、家族や友人たちを本当の意味で
その気持ちを思いやってこなかった。
自分の自尊心を満たしたい甘えばかりを優先するのね。
その結果、親しい関係にどんな結末を生むのか、見たようだわ。
大事な人たちから、
見せかけのやさしさを
振る舞われてしまわないように気をつけたいものね!!
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