1番ではない愛。異性の愛、親の愛、兄妹の愛。それを嘆くな。(魂のまなざし 映画 プライムビデオ)

映画

魂のまなざし
DVD
prime video(2024年5月6日現在サービス適応中)

もちろん、あなたが結婚を考えているのなら、パートナーとあなたは、相手が1番でなければならないはずです。

人生にはさまざまな愛があります。

誰もが誰かから愛して欲しいと思っています。

お店の店員の笑顔や、サービスを説明する丁寧さや、親戚がおこづかいをくれること、そんなことが愛のように思ったりもします。(また、それらは愛の可能性もありますが)。

そして、

愛を、自分に1番の形で与えてほしいと思う。

意識はしていないかもしれません。そして、これは傲慢なのでしょうか? しかし愛に格差を感じるとき、憎しみすら生まれないでしょうか。

あらすじ

画家のヘレン・シャルフベックは、ある画商より、展覧会を開きたいと申し出を受けた。特に繋がりのない人なのに唐突にだ。それはある歳若い青年が彼女の絵を推したから、らしい。

彼と実際に出会い、ヘレンは気に入られたのか、その男性の別荘へ絵を描きにきてくれるよう提案される。

年齢が20ほども違うけれども、2人はどこかが通じ合った。あるいはヘレンがそう思っただけかもしれない。

おとなしくした興奮ののちに、家へと帰ったヘレン。

家では母親や兄との問題があった(父親の姿はない)。母親は、とにかく、長男を愛していた。ヘレンにも愛情じみたものをかけてくれるけれども、それは、ヘレンは、世間的な体裁がさせているのだと受け止めていた。

兄は展覧会でのヘレンの売れた絵の代金のだいぶんを貰おうとした。当時のフィンランド(が舞台になります)の社会的な常識では、女性の稼ぎのおおくは、家長にいったみたいです。

しかし、ヘレンは拒否した。母親は言います。世間がなんというかね……。

そして、あの愛しい青年は別の若い恋人を作る。いや、もとより、ヘレンと青年が、恋人だったという事実はないのだから、裏切りとは言えないかもだけれども、言葉になっていないふれあいの記憶はお互いにあるはずだ。

ヘレンは絶望をする。だれもが、愛をくれないではないか。あなたが1番好きです! と言ってくれない!!

だけど、彼女の親友の女性は、ヘレンが青年が手紙をくれないの! と言ったとき、私のでは不満? と聞いたのだ。

与えられている愛には目を向けず、こじれているものだけを意識してしまう。

そして、母親を失ったことがきっかけとなり、青年の母親の兄の親友の、与えてくれていたそれぞれの彼女への愛を受け入れ始めるのだった。

1番の愛を求めても得られない。ただ、

誰もがあなたが嫌いで2番や3番にしているのではないのです。

そんな序列意識もないでしょう。ただ、1番好きな人には、心が開いて楽しくなって、はしゃぐから、それをあなたにしてくれないことをあなたは、愛に差があると感じます。ほんとうは、ひとりの、それぞれの誰彼への対応の仕方がそれぞれであるように、愛の相手に見せる表情もさまざまにならざるを得ないのではないでしょうか。

そのとおりです。格差です。しかし。

けれども、人は、嘘の情熱を持つことは難しいです。あなたは、その、くれない1番の愛が欲しい人とのコミュニケーションのしかたを傷つかないようなものに形作らなければなりません。

憎しみは残るかもしれません。けれどもうまくいく形を。そうなれば、振り回されることはなくなるでしょう。一つの方法としては、なるべく自分から求めて会わないことです。気持ちを整えられる他の誰かなり趣味なりがあれば良いのですが……。

ヘレンは、83歳で亡くなるまで、あの青年と交流を続け、1100通もの手紙やハガキが残っているのです。そして彼女は生涯、未婚でした。

この映画でどうやってヘレンが青年や母や兄に対するその憎しみを乗り越えたのか(いえ、ありはしたのかもしれませんが、それを踏まえた上で、です)、を見ていくならば、ヘレンの中にもともとあった、また誰の中にもあるであろう、何かに気づくかもしれません。

語りのミニシアター

この映画の主人公の

ヘレン・シャルフベックさんは、

実在の画家であったようですよ。

映画において、

彼女が青年にパリの街について話すじゃない? 

 
その言葉に青年が、

『街か芸術の話かわからないな』って。

青年は好ましい反応をしながらも

やや引き気味に見えたわ。

彼女が青年に出会ったとき、

年齢もそれなりにいっていたようですが、

彼女のそんな独特の感性って、

いままでも男性を遠ざけていたのかもしれませんね。

 
わかりあえるひとと出会っても19の歳の開きがあったのは、

かなしいことでした。

愛にどれだけ純粋性を求めても、

現実というのは、なかなかむつかしく……。

まって、まって。

純粋だからこそ、死ぬまで友達でいれたのじゃない? 

恋人であったと思っていた気持ちを乗り越えて。

なるほど!! 

愛が勝利したわけですね!! 

決まりきったかたちの成就のしかたが

いつでも正解だとは限らないですね!!

※この映画の主人公、ヘレン・シャルフベックは実在の人物です。彼女と彼女の周りの人物の像について。当ページでは、この映画を見た印象からテキストを書いております。彼女ら、彼らの史実とは異なる場合がございます。

映画「魂のまなざし」のプライムビデオのリンク、下記です。

魂のまなざし

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アリサカ・ユキ

ぼくはずいぶん長い間とても弱かった。勝手な自己主張の上手い人たちに、いろんなやり方でいいように扱われていました。

物語からほんとうの強さというものを知りました。それは、なにかをわかること、そして、それへのやさしい想像力で得ることもできる、ということ。ぼくは卑怯な人に抵抗できるようになった。優しい人の味方になれるようがんばれるようになった。

あなたを翔けさせる素晴らしい物語たちを伝えたいです。

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管理人はトランスジェンダーであり、トランスエイジです。

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