無抵抗だから、悶々と悔しい。(「聖なる犯罪者」 監督 ヤン・コマサ prime video)

映画

聖なる犯罪者
監督 ヤン・コマサ
prime video(2024年11月4日サービス適応内)

あらすじ

ダニエルは少年院にいました。模範囚。周りはそれが面白くありません。ピンチェルのような気性の激しいものに、指導官がいない時に殴られる。彼は、されるがままです。

退所の日。
「ぼくは、神学校に入れるでしょうか」
「犯罪歴のあるものはダメなんだ」

ある田舎町の製材所で働くように言われていました。ひょんなことからその町の神父のなりきりをすることになります。だれも、彼が資格を持っていないことを知らないのです。

町は悲しみに包まれていました。車の衝突事故があり、家族を失った人がたくさんいるのです。

ダニエルは彼らを癒していく。しかし、被害者と思われてきた人たちが、実は加害者ではないかという疑いを彼は持ち始めます。もともと犯人とされているものは街での埋葬すら許可されてなくて。

そして、彼の前に出所したピンチェルが現れます。バラして欲しくなければ金を出せ。脅してきます。

ダニエルは、衝突事故の犯人を町に埋葬する儀式をしました。それと同時に少年院でお世話になった神父が迎えにくるのです。ピンチェルは密告をしていました。

ラストでは、ダニエルは少年院に舞い戻っています。ピンチェルが殴ってくる。彼は殴り返した。激しい喧嘩となり……。

アリサカが見たこと

ヤクもすればお酒も飲む。やることは不良。でも心根は優しい。それがダニエルです。

自分が神父だ、と名乗ったとき、彼はその状況から逃げようとしました。しかし、脱出できそうな窓が開かずになし崩し的に、そのまま神父の役をします。

このように、彼は、状況が悪くなれば、責任を取らず逃げる人だったようです。

しかし、町の人への真摯な態度から、多くの人に信頼されるようになります。

立場が彼を育てたのでしょうか? 嘘でも神父ということをやっているうちに、自分がどのように生きていくかを、彼は知り始めます。

それが、車の衝突事故の、虚偽に切り込むことでした。好意を持ってくれている少女からスマホの動画で、被害者の人たちが事件の日にヤクをやっていたことがわかる。そして、車にたくさんの人数が乗っていた。そのことに興味を示していると、町長から、くぎを刺されます。彼が機嫌を損ねるのには何か意味があるはずです。

彼は決断をする。教会の寄付金で、加害者となっている人を墓地で埋葬の儀式をすることに。被害者の人たちは不満を口にします。ダニエルの信頼もなくなるかもしれない。しかし、彼は、自分が正しいと思えることをしました。

けっきょく、彼は神父であるのは嘘であるということがバレて、少年院に逆戻りです。密告したピンチェルは、喧嘩を仕掛けてきます。彼は抵抗した!! 野蛮かもしれません。けれども、殴られるような理不尽には戦わなければならないのではないでしょうか。これは別の映画ですが、ある女の人が酒飲みのお爺さんから不当に罵られます。女の人はいうのです。この、くそアル中。攻撃をされたままで我慢するのが、大人の対応となっています。でも、おおくのばあい、ぼくたちは、そういうことに腹が立って仕方がないのではないでしょうか。相手がひどいのになぜ被害者が黙るのでしょうか。理不尽には断固、負けないくらいの気持ちが欲しいものです。

そして、ダニエルは、神父としての責任を果たしていくうちに、自分を信じられたのです。だから、再びの少年院で、暴力にだまらずにいられました。ぼくは、不当な暴力に対してなら、あえて戦うことも、成長だと思います。自分を主張することは大事です。それは、人間的な強さです。

語りのミニシアター

ある意味、悲しい主人公です。

なぜ、少年院に入ったのかはわかりませんが、

そのために希望してる

神学校には入れません。

そうね。

人生の先行する失敗が

未来に影響を及ぼすことは、

時に残酷だわ。

しかし、ぼくは思うのです。

人間が本当に目指すべきは

職業のことでなく

自分という格をどれだけ伸ばせるがではないかと。

なるほどね。

人間性でしょ?

そうです。

お金をたくさん稼いでも

どんな肩書きを得ようとも

そのことで得られる賞賛は

形だけのものではないでしょうか。

 
他人はそれすごいとは思いますが、

その人と付き合いたいかは別のことではないですか。

つまり、いい人ならば付き合いたいよね、ってことよね。

お金は使えばなくなります。

肩書は退職すれば無でしょう。

でも、その人がその人であることは

ずっと付きまといます。

あー、なるほどね。

この映画は、そういう、

人間性が語られたわね!!

たしかにダニエルは成長したようだわ!!

最後の殴り合いの喧嘩を
成長と見るのは難しいかもしれません。
 
ただ、本文でも書いた通り、
ぼくは戦えることも必要と思うのです。

あたしも、
図書館の開館前とかに行列に並んでると、
たまーに、おじいちゃんとかが、
しれっとわたしの前に入り込んでくるわよ。
腹立つわ!!

戦いは暴力的なことに限りません。
理性的に問題を解決するのも戦いだと思います。

こんど、言ってあげよ!! 
わりこみやめてください、って!!

それ言いたいですよね。
言えなかったら、
しばらく気分が悪いもの。

ま、まあ、忘れられるならいいのだけど、
わたしは何年経っても
不意に思い出しちゃうからなあ。

やっぱり、
こちらの尊厳を無視した相手の行動は、
いやですね。

戦える力、欲しいものです!!

下記、映画「聖なる犯罪者」プライムビデオのリンクです。

聖なる犯罪者

ブルーレイ、パッケージ商品です。

今回は以上になります。

若いかたにも大人のかたにも、今日、いま、

あなたの青春の時間に参加させていただいたことに感謝いたします。

それでは、また!

管理人
アリサカ・ユキ

ぼくはずいぶん長い間とても弱かった。勝手な自己主張の上手い人たちに、いろんなやり方でいいように扱われていました。

物語からほんとうの強さというものを知りました。それは、なにかをわかること、そして、それへのやさしい想像力で得ることもできる、ということ。ぼくは卑怯な人に抵抗できるようになった。優しい人の味方になれるようがんばれるようになった。

あなたを翔けさせる素晴らしい物語たちを伝えたいです。

毎週、月曜日の更新を心がけます(変則的になる場合があります)。

このプロフィールの名前をクリックいたしますと、アリサカ・ユキの、本を愛する愛したい、そして、未来へ希望を持って欲しいかたがたへのより詳しいメッセージを読めます。

管理人はトランスジェンダーであり、トランスエイジです。

アリサカ・ユキをフォローする
映画
アリサカ・ユキをフォローする
タイトルとURLをコピーしました